ということで…増田セバスチャンより、新雑誌「@2.5」について!
- 2011.03.31 Thursday
- 13:12
本日、新雑誌@2.5(アット二イテンゴ)が
発売されました。
この雑誌、もともとはspoon.の別冊企画として
始まった話で、きっかけは著書「家系図カッター」での
「もふくちゃん」こと福嶋麻衣子さんとの対談でした。
僕自身、今まで、秋葉原には、あまり行ったことなく、
ただアキバ方面に6%のお客さんにファンが多いのは
知っていましたが、取材時改めて秋葉原に行ってビックリ!
街中のメイドカフェの看板につけているアクセはほとんど
6%のものじゃないか!知らず知らずに原宿の僕達が
アキバでも受け入れられている!
そんな中で「家系図カッター」でもタッグを組んだ
編集長の斉藤さんの言葉。
「今、アキバって面白いよね。今度の別冊spoon.、
アキバと原宿の特集にしようと思うんだけど。」
こう相談された時、正直、これは、家系図カッターに続いて
またもや問題作になってしまうなと思いました。
なぜなら、原宿とアキバというのをまとめて紹介すると
いうのは、ある意味、タブーに触れることでもあるからです。
アキバ・原宿双方それぞれの大切にしている価値観があり、
そこを行ったり来たりしたり、融合したりするのは個人的な
趣味趣向の問題に留めて置いた方がいいんじゃないのか?
急激に拡張したアキバカルチャーの世間のイメージは、
まだまだ一部の人のもの(=いわゆるオタクと呼ばれる類)
という認識が強く、こういったメジャー誌に取り上げる
ことによって、一般の人の好奇な目を増長させてしまう
かもしれない。
一部の人には熱狂的に支持される誌面にはなるとは思うの
だけれど、逆にそこから広がらない可能性があり、それに
よってアキバも原宿も(一般的に)誤解されてしまうかも
しれない。
それでも、もし原宿・アキバカルチャーを紹介する雑誌に
するのなら、原宿・アキバに集まるエネルギーをちゃんと
誇りを持って紹介したい!
考えた末の僕個人の見解はこうです。
「若い世代のエネルギーの行き着く場所=“居場所”としての
機能を果たしてきた“秋葉原”と“原宿”」・・・という観点から、
この原宿とアキバという場所に若い世代のポップカルチャーが
引きよせられる魅力・正体は一体何なのだろうか?
一般の人にとっても、原宿・アキバを知ることにより、
この魑魅魍魎とした時代を読み解くためのヒントにならない
だろうか?
しいては、時代に対してのカウンターとして芽吹くカルチャー
最前衛の情報として紹介できないだろうか?
そう、考えたのです。
@2、5・・・。編集長にこのタイトルになるよと
聞いたとき、もちろん、言葉の元になった2次元、3次元と
いう観念的な話もあるかもしれないけど、直感的にアキバ
と原宿のあいだが(2と3のあいだ)、すなわち@(場所)
「2,5」は、僕たちが探していた、どこにでも自由に
飛んでいける行き来可能な「場所」の意味だと捉えました。
それは,もしかして場所などの可視化できるものじゃないかも
しれないし、ネットの中かもしれないし、はたまた家族という
小さな単位かもしれない。単体の恋人という“人間”なのかも
しれない。私達が常に探している、自分がそこに居るときに
感じる、やっと自分として生きて呼吸して存在していると
感じる距離、場所「2、5」。
若い世代のエネルギーが、マグマのようにくすぶる今にも
吐き出さんかと渦巻いている「居場所」。
僕たちがずっと彷徨い続けながら探していた・・・
本当のパライソ(楽園)があるとするならば、
ここなのかもしれない・・・。
原宿、アキバの面白さ、若いクリエイティビティはまだまだ
たくさんあって紹介しきれないのですが、今回、
理解できないモノ=サブカルという安易なワクでバッサリ
切り落とされないように、一般の方にもわかりやすく、
言葉を持って強く戦っている方達中心に取材をお願いしました。
「居場所論」歴史。
原宿といえば、やはりあの時代。
90年代、原宿のホコ天に生まれた東京発のファッションを
撮っていた「FRUiTS」を手がけた【青木正一氏】。
青木氏には特別にお願いして、当時の「FRUiTS」を
誌上10ページで再現してもらいました。
あの頃の時代感を感じる写真を選び、あの頃の原宿(=居場所)
どういう所だったかを切り取ったつもりです。
そこに写っている人達は、僕にとって皆顔見知りの懐かしい
人達ばかりです。
常に現場主義を貫いて若い世代と膝をつき合わせている
“よねちゃん”こと【米原康正氏】。
80年代〜90年代〜そして今までと、時代における世代の
変容についてはこの方が一番見ています。歯に衣着せぬ言葉で
世代論をバシバシ切ってもらいました。
「居場所」総論
として、最近論議を交わす事の多かった【宇野常寛氏】。
彼のコミュニティがカルチャーを作るという理論に感銘を受け、
居場所という視点で語ってもらいました。
そして、現在ホットな情報として
ネットから生まれるカルチャーを「アート」として
リカテゴライズしようとする活動体【カオス*ラウンジ】
新世代のファッションジャンルとして、リアルメディアを
作ろうとしている【「ネオコス」展】
新世代の原宿アイコン【きゃりーぱみゅぱみゅちゃん】
これはスタイリングやイメージングを担当させていただきました。
(本当だったら、これだけで僕の役目は十分かもしれません)
さらに初音ミクの二次創作していく形態を江戸時代の
人形浄瑠璃になぞらえて説明する【Tokyo Kawaii Magazineの
福岡編集長】。
僕は決してメディアを作りたいのではなく、
ただの原宿のいちプレイヤーいち物作りの人間、
あくまでもソフトでしかない思っています。
そういった立ち位置を確認しつつ、微力ながら、
良い誌面になることを願って、遠くから援護射撃をさせていただきました。
自分個人にとって大切な居場所「原宿」・・・。
そして、傍らでふくらみ続けるアキバカルチャー。
時代を読み解くための副読本として、好きな方もそうでない方も
楽しんでいただければと思います!
「@2.5」
Amazon
http://www.amazon.co.jp/dp/4048940805