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東日本大震災、被災地へ (4)ボランティアセンター

  • 2011.05.21 Saturday
  • 23:00
4)ボランティアセンター


ベイサイドアリーナは、
南三陸町総合体育館のことで、坂の上にあった。
医療施設や役所機能などもある大きな臨時施設だ。

近くには、この日オープンした移動式のコンビニもあり、
買い物をしたり、菓子パンやホットスナックを食べたり
している人を見かけた。


敷地内に入ってみると、どうやら、僕たちの行った
前日に第2次避難で避難所が引っ越したらしく、
もう避難所としての機能は無くなっていたようだ。


そこを通り過ぎ、外れの一角のテントが、
「災害ボランティアセンター」だった。

現地に着いてみると驚いたのは、ボランティア受入れの
システムがちゃんと整備されていること。
受付で名前と保険に加入(名前を書くだけ)すると、
ほどなくして作業を割り振られるという、
気持ちさえあれば、当日いきなりそこに行っても、
ほんの数時間でも何かしら手伝えるシステムに
なっているのだ。
チームで来ている人、長期間滞在している人もいれば、
僕たちのように土日を利用して1日だけ参加する人も
いる。この日集まったボランティアは300人弱だった
ようだ。

瓦礫の撤去を予想して、それなりの装備をしていった
のだけれど、僕たちに割り振られたのは、
「思い出探し隊」という、津波で水没し、ガレキの中
から見つかったアルバムや写真をきれいにして、
持ち主の元に返そう、という活動のお手伝いだった。


この南三陸町の町長が幼少時代、チリ大地震の
津波被害により自分のアルバムを流され、
大切な記憶をも一緒に流されてしまったという経験から、
今回はその悲しい思いを繰り返さないようにと
始まった活動だという。


前日の雨と、作業に寄って床に落ちた泥を外に追い出す
作業からスタート。
その後、やり方の説明を聞き、実作業にはいる。

泥だらけの分厚いアルバム、大きく引き延ばされた
集合写真、プリクラ・・・
災害から時間が経ったはずなのに、乾かずに
びしょびしょに濡れた、見つかったばかりの写真が
入ったカゴが、どんどんボランティアスタッフの前に
現れる。


この中から適当に写真の束を拾い上げ、筆、歯ブラシ、
スポンジなど様々な道具を工夫して泥を取り除いて行く。
海水ではりついてしまったアルバムを開くとき、
潮とヘドロと腐臭の混じったかなり強烈なニオイがする。


1冊のアルバムを順々にきれいにしていると、
だんだんその持ち主の人の人生に寄り添うような
気持ちになってくる。
赤ちゃんの成長記録のアルバム、
お父さんの若い頃、結婚、家族との写真が
全部入ったアルバム、おばあちゃんのお友達との旅行の
アルバム、飼っている猫がたくさん写ったアルバム…

できるだけ丁寧に、思いを込めながら、
作業を続けていると、同行していたスタッフの
1人がポソッと、
「これって6%DOKIDOKIのやってることと、
 近いですよね」と言った。


僕たちが割り振られたのは、わかりやすく復興を手伝う
ガレキ撤去などではないが、「思い出」という大切な
付加価値へのサポートだった。
6%DOKIDOKIがつくるアイテムは、言ってしまえば、
生きて行くには物理的には"無くても良いもの"だ。

ただ、そこに持ち主が込める思いや価値は、
時に人を救い、喜びを生み出す、付加価値。
確かに、この作業を自分が割り振られたのは、
なんだか運命のような気がした…


昼休憩中、ぐるっと施設のまわりをまわってみた。
トイレもたくさんあり、とてもキレイに使われている。

1日前まで避難所としても使われていた体育館は、
物資の貯蔵や、情報掲示板、
そして…遺体安置所として利用されていた。
さっきのガレキと、ヴィジュアルが重なり、
いたたまれない気持ちになった。


これらの写真は、5月28日(土)〜6月5日(日)
に旧入谷中学校で展示、引き取りが行われるらしい。

ひとりでも多くの人の元に、1枚でも多くの写真が
戻りますように・・・。


ボランティアセンターを去る時、ダメもとで、
義援金を直に渡せないかどうか、聞いてみることにした。
最初は「ここではできないので振込で…」と
言われたのだが、なんとそこに、偶然、南三陸町の役場の
方が様子を見にボランティアセンターに訪れたのだ!
いきさつを説明すると、直接受け取ってくれることになった。

なんという幸運。
世界中からの善意を見えるカタチで直接渡せるなんて!!


6%DOKIDOKIで支援物資を募った際、東京での物資不足の
ため持ち寄れなかった方数人が募金してくれた義援金と、
ツアーのときに呼びかけた義援金の合計 (ドルだった
ので、実際の寄付の金額よりはかなり少ない印象になって
しまったのだが…)日本円にして23356円をお渡しした。

センターを出る時、
「遠いところから来て下さってありがとうございます!」
と、何回も丁寧におじきをしてくれた。



これは、後日送られて来た手紙。
丁寧なお礼状。現地を思い出すと、ジーンとしてしまう。
(*これは改めて、別記事でご報告します。
 皆様ご協力ありがとうございました。)
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